ビーチコーミング

木曜日のこと。


近いうちに釣りに行こうと思ってこの前見つけた上州屋へ行ってみた。
気を遣わずに使える、やっすいテレスコピックの竿とリールが欲しいなぁと思ってたけど、実際にお金を使うことを考えたらなんだかあほらしくなってしまって、買うのは止めた。
実家に帰れば道具はあるし。


でも実際に海はどんな感じなのか見てみたくなって秋田港へ行った。
どんな地形で、どんな魚が居そうか。インターネットなりで調べればすぐに分かることだけど、自分で試してみたかった。釣りは、いろいろ自分で試していくのが楽しいと思うから。


地図を見ずに標識だけを頼りにして行ったけど、案外簡単な道順だった。

秋田港は大きな川から続くような湾だから、予想はしていたけど、それ以上に凄く汚かった。
こんなところで 釣りはできないなぁ、と思って白けてしまった。

近くに地上100mの展望台があったので、せっかくなので上がってみた。
遠くまで見渡せて、外海側の海岸までの道が見えたので、そちらに行ってみることにした。



SHOWAのTTが行われた向浜に行ったが、途中道に迷ってしまった。
来た道を戻ったりして砂浜の海岸に付いた頃には日がかなり傾いて肌寒くなっていた。


釣りをしている人もいたけれど、釣れている様子もなくしばらくするといなくなってしまった。
海岸を見渡してみてもあまり変化がなく、確かにあんまり釣れなさそうだなぁと思った。

それから、しばらく歩き回りながら綺麗な石や小さい貝殻などを拾った。
  「あぁ、こういうのビーチコーミングっていうんだよなぁ」と思って、ときどきこうやってなんとなく海に来るのもいいかなぁ、と思った。

それから投げ釣りに使うジェット天秤を拾って、他にも何か仕掛けが落ちてないかなぁと探してみたけど、結局それきりだった。


南の方を見たらまだ雪が残ってる山が見えた。
何て名前だろう。


帰る頃には暗くなってたけど、迷うことなくアパートにたどり着けた。
自分の土地じゃない、全然知らない道を走るのって凄く不安で心細いと思った。
無性に寂しいような、悲しいような気分になる。
初めて、実家に帰りたいと強く思った。








カニの甲羅はモクズガ二のだった。